マフラーが果たす役割とは?
バイクでも自動車でも、エンジンを動力とする乗り物にはマフラーが着いています。
ガソリンを燃焼させて動力を得るエンジンでは、排気ガスが出ますので、その排出口として最終部分にマフラーが装着されているのが一般的です。
このマフラーが果たす役割は、排気によって生じる騒音を軽減するというものです。
そのため、マフラーは別名でサイレンサーもしくは消音器と呼ばれることもあります。
エンジンではガソリンに点火させて爆発させているため、どうしても大きな音が出てしまいます。
そのままだと周囲に大きな迷惑をかけてしまいますし、運転している人も同じバイクに乗っている人も音に悩まされてしまいますので、排気音を小さくする必要があるのです。
バイクの排気音としては、まず吐出音と呼ばれる騒音があります。
これはエンジンの燃焼そのものによって生じる音や、エンジンから出てくるガスがパイプを通る時に鳴る音のことです。
もう一つの騒音のタイプは、放射音と呼ばれます。
これはエンジンが振動することによって周りのパーツにも振動が伝わりますが、この振動によって生じる音のことを指します。
このように騒音と一口に言っても、異なるタイプの音がありますので、それを上手に打ち消す必要があるのです。
マフラーが騒音を軽減する構造とは?
これらの騒音を軽減するためには、性能の良いマフラーが必要となり、複雑な構造が求められます。
現在のマフラーのほとんどは、「多段膨張室構造」という構造を取ったパーツです。
これは、内部をいくつかの膨張室、つまり仕切りで複数の部屋に分けて排気ガスを順次通すという作りです。
それぞれの膨張室には、穴の開いたパイプが通っています。
このパイプと膨張室を通過していくことで、圧力と熱を持った排気ガスが次第にその圧力と熱を下げていきます。
そうすると音のエネルギーも減っていきますので、最終的に外に出る時には消音されているというわけです。
またそれぞれの部屋を仕切っている壁によって振動なども打ち消されていきますので、放射音も減っていくことになり全体として強い消音効果を生み出します。
一部のバイクでは、可変バルブ式のマフラーが搭載されています。
これは、内部を通るパイプを弁の開け閉めができるバルブで仕切って、排気ガスの流れをコントロールするという構造です。
排気ガスの圧力をバルブで調整し、軽減させることによって音のエネルギーも減衰させるという効果があります。
一般的な多段膨張室構造よりもマフラー自体を小さくすることができますので、バイクの作りのせいで大きなマフラーを装着できない場合、この可変バルブ式のマフラーが使われます。