バイクのラインナップと排ガス規制は切っても切れない関係にあります。規制がされるたびに「こんなに作れるわけがない」と言われるくらいの数値を設定されながらも、あきらめずにバイクを作り続けていたメーカーには頭が下がる思いです。こちらでは、排ガス規制について軽くまとめてみます。
「二輪車排出ガス規制」とは?
バイクの排ガス濃度は厳しく定められています。排ガスを、細分化するとCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOX(窒素酸化物)それぞれの濃度を測定する形となります。
二輪車排出ガス規制は1998年10月に始まりました。その後も2006年、2012年、2016年と排ガス規制が変更され、年々厳しくなっています。
これは一律で適用されるわけではなく、バイクの年式によって規制値は異なるものの、この規制を受けて2ストやほとんどのキャブレターが新車市場からは姿を消しました。2020年までには合計4回もの排ガス規制が進められている状態ですが、排ガス規制はまだまだ続きます。
排ガス規制が名機を生むこともある
重なる排ガス規制は、現行モデルが生産終了を余儀なくされるきっかけにります。そのため、排ガス規制にため息を漏らすライダーも多いかもしれません。
しかし、環境問題に配慮した規制は、必ずしもデメリットばかりではありません。もちろん生産が難しくなるモデルもありますが、ラインナップががらりと変わりますし、規制時代の境目には、各メーカーが「記念碑」を建ててやると言わんばかりの究極マシンを世に送り出す傾向があります。ユーロ6を見越して2020年に登場したホンダのスーパースポーツモデルCBR1000RR-R SPあたりが好例と言われています。
あるいは、生産中止をした後でも、再び規制をクリアしたモデルが発売された例もあります。いったんは生産終了を余儀なくされつつもキャブレターからFI化に転換したホンダ・モンキー、ヤマハSR400、あくまで空冷にこだわり続けたカワサキW800などが、無事に規制をクリアした新型として再登場しました。
再登場後も度重なる規制に適合できず歴史に幕を下ろしたバイクもあるものの、新車のラインナップは様変わりし、新たなバイクの時代にワクワクさせられることも確かです。
バイクは規制の波に煽られて今もなお激動の時代ですが、変化も含めてバイクライフを楽しめるようになりたいものです。