ハンドルからタイヤにかけてやたら長いハーレーダビットソン…チョッパースタイルにそういうイメージを持っている方も多いかもしれませんが、フロントフォークの長さだけがチョッパーの特長ではありません。
チョッパーは「チョップ(叩き切る/切り刻む)」を語源としており、既存のパーツを切りとって好きなパーツをくっつけたカスタムバイクの総称です。チョッパーの中でも、デンバー、ディガー、LA、ストリートドラッグなどさらに細分化されます。
チョッパーの特長
細かい定義などないようなカスタムですが、主に以下のような特徴があります。
- フロントフォークを伸ばす
- ハンドルバーが高い
- シートは低く小さいも
- フェンダーを取り外す
- タンクを小さくする
アメリカには「Less is more(少ないことは豊かなこと)」という言葉がありますが、チョッパースタイルはこの言葉を体現するカスタムスタイルと言えるでしょう。余計なものを取り除いて少ないものに注力することで、最高のカッコよさと最大限のキャパシティを引き出そうとする美意識が伺えます。
チョッパーの歴史
チョッパーが始まったのは、第二次世界大戦が終息して間もないころです。戦時中に兵士たちが使っていたのは、重厚ですが軽快さに欠けるハーレーでした。ハーレーの扱いを覚えた軍人が帰国後に使い慣れたハーレーを選ぶことも、愛車に「もっと軽く、もっと早く」を追及したいと思ったことも自然な流れでしょう。
もしくは、盗んだバイクを持ち主に悟られないように切り刻んでパーツを変えていたことが始まり、とも言われています。どちらも信憑性がある内容ですね。
どんなバイクでもチョッパーはできますが、とりわけハーレーダビットソンかつ不良が乗るイメージが根強いのは、1969年の映画『イージーライダー』で登場したキャプテンアメリカ号の影響でしょう。
それまではアウトローな人が乗っていましたが、有名なビルダーやカスタムショップもチョッパースタイルを作るようになり、『イージーライダー』の影響もあってチョッパーが流行しました。
チョッパーにカスタムするには
バイクのカスタム、特にチョッパースタイルで重要なのは「最終的にどんな形にしたいか」を明確にイメージして計画を練ることです。パーツも安くありませんし、変なところをいじると壊れてしまう可能性もあります。行き当たりばったりではなく、チョッパースタイルをじっくりと見比べて、ピンとくるスタイルをチェックし、自分が乗りたいバイクのイメージを固めておきましょう。
基本的なスタイルとして押さえておきたいのは、チョッパーでは「取り除いても問題ないものを」を外したり移設したりするスタイルということです。フェンダー、フレーム、配線など外しても問題ないものを外してから、パーツを交換するか移設するのかを決めます。フューエルタンク(ガソリンタンク)はオールドスクールなチョッパーにおいて重要で、パーツで表情ががらりと変わるので慎重に選びましょう。