エンジンの冷却方式【バイクのメカニズム用語】

エンジン

バイクのエンジンは走行中、かなりの熱さです。その温度は800度に達するといわれ、高温のまま動かし続けるとオーバーヒートを起こしてエンジンが動かなくなってしまいます。
そこで、エンジンを冷やす方法は主に空気で冷やす空冷エンジンと水で冷やす水冷エンジン、オイルで冷やす油冷エンジンがあります。

空冷エンジン
空気でエンジンを冷却する方法です。空冷エンジンにはシリンダーヘッドの部分についたフィンがたくさんついています。
このフィンで空気に触れる面積を増やし、走行風によってエンジンの熱を逃がすように設計されているわけです。
そのため、長時間アイドリングしていると、オーバーヒートを起こしやすくなります。
構造上、出力が大きくなるほど冷却が困難になり、騒音が大きいなどの理由によって、規制に対する開発が難しくヤマハSR400のようなロングセラーのバイクも生産終了となりました。
現在は主に小排気量モデルで採用されています。

水冷エンジン
エンジン周りに水を循環させて冷却する方式です。空冷よりも効率的にエンジンを冷やすことができるため、現在のバイクでは主流となっています。
シリンダーの近くに冷却水があるウォータージェケットから、冷却水が循環してエンジンを冷やす仕組みです。
エンジンの温度を適正に維持できるので、燃費や排気ガス性能が向上するメリットがあります。
また、オーバーヒートの心配がなく、高回転高出力が可能で、騒音が少ないのもメリットです。
そのため、現在のバイクのほとんどが水冷エンジンを採用しています。
エンジンの構造が複雑になってしまうのでコストや重量がかかるのがデメリットですが、排ガス規制を考慮すると水冷エンジンに選ばれるというわけです。

油冷エンジン
冷却水の代わりにオイルを潤滑だけではなく冷却にも使っているのが油冷エンジンです。
ウォータージャケットがない分、エンジンをコンパクトにできます。冷却性能は空冷と水冷の中間くらいです。
スズキのジクサーSF250で採用されています。

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